データで決める!!クロスバイクにヘルメットは必要かいらないか
あなたはクロスバイクに乗るときにヘルメットをかぶっていますか?
クロスバイクで迷うのが、ヘルメットが必要かいらないかですね。ロードバイクはほとんどかぶっているし、ママチャリはほとんどかぶっていませんし。
現在、法律では自転車でのヘルメット着用は義務ではないです(※子供には努力義務)。ですので、クロスバイクでヘルメットを装着するかしないかは自分で決めることになります。
ここでは、交通事故とヘルメットに関する研究や統計をいくつか紹介します。
どのデータも事故の時にヘルメットをかぶることで、死亡事故を防いだり怪我を軽くしたりする結果が出ています。
しかし、怪我を軽くする一方で、ヘルメットのせいで事故そのものが起きやすくなるというデータもあるのです。
これらのデータで、皆さんのヘルメットの着用判断のお手伝いができればと思います。必要だと感じたらさっそくヘルメットをかぶりましょう。また、必要でないと感じても今ままでよりもしっかり安全運転をしてくださいね。
それでは、さっそくデータを見てみましょう。
交通事故の統計データを見てみよう
自転車での交通事故とヘルメットの統計データは、以下のページによくまとめられています(※PDFです)。
公益財団法人交通事故分析センター(ITARDA)イタルダインフォメーション交通事故分析レポートNo.97「特集自転車事故 被害軽減にヘルメット!!」
平成21~23年のデータです。内容をざっくり言うと
- 自転車の死傷者はあまり減っていない
- 死んだ人がよくぶつけていたのは、あたまと胸とおなか
- 事故であたまをよくぶけるのは、地面か車のボディ
- もし事故で死んだ全員がヘルメットをかぶっていれば、4分の1は助かっていた
- 自転車の事故が最も多いのは中高生
になります。
自転車の死傷者はあまり減っていない
車はどんどん安全になっていますよね。しかし、自転車は今もむかしも安全性は一緒と考えましょう。
死んだ人がよくぶつけていたのは、あたまと胸とおなか
自転車で死亡と聞くと、頭や首の骨が折れるイメージでしたが、胸やおなかのケガがあたまと同じくらい多いことは驚きました。さらに安全に乗りたい方は、胸やおなかの対策も考えましょう。バイク用ですが、プロテクターやエアバッグ付きのジャケットもあります。
事故であたまをよくぶけるのは、地面か車のボディ
車との事故では、あたまがボディにぶつかることを忘れてはいけません。柔道をやっていて受け身が取れるから大丈夫という方も、時速60kmで後ろからきた車に当てられて、受け身が間に合うか考えてみましょう。
もし事故で死んだ全員がヘルメットをかぶっていれば、4分の3は助かっていた
このデータは驚きです。例えば、トランプでどのマーク引いてもダメだったのに、ヘルメットがあればスペード以外を引けば助かることになったんです。これはヘルメットをかぶらないと損ですよね。
次にヘルメットの効果を調べた論文を紹介したいと思います。
ヘルメットに関する論文を見てみよう
ヘルメットの効果に関する論文のまとめです。
1. 二輪車交通事故にて回収したヘルメット120例を切断分析し,臨床情報をもとに検討を加えた。
2. 事故時にヘルメットが脱落したものでは,脱落しなかったものに比較して頭部外傷はより重症となる傾向がみられた。
3. ヘルメットの脱落例では,頭蓋骨骨折や局所性脳損傷の占める割合が高かった。
4. ヘルメットの損傷部位と頭部外傷の障害の内容との間には有意な関連が認められた。
5. ヘルメットの円蓋部への外力は,頭部の重心の位置から推測し回転加速度衝撃を生じやすい と考えられた。
6. ヘルメットを着用し重症の脳損傷を生じた場合でも,それはより激烈な脳損傷が緩和された結果であり,ヘルメットは十分に脳保護効果を発揮 しているものと考えられた。
引用:頭部外傷のメカニズムからみた乗車用ヘルメットの防御効果 乗員被害と事故ヘルメット切断分析結果からの考察 村上 成之, 中村 紀夫, 谷 諭 日本救急医学会雑誌Vol. 3 (1992) No. 6 P 461-470
内容をざっくり言うと”ヘルメットがあたまを守ることは正しいとデータでも証明された”ということです。
バイクのデータなのでヘルメットの装着は義務ですが、事故のときに脱げてしまった人との比較というところに注目です。これはヘルメットをするなら、あごヒモをきちんと締めなければ意味がないということです。
さて、ヘルメットは事故が起きたときに有効であることは分かりました。しかし、ヘルメットをかぶっていることで事故が起きるという興味深いデータがあるのです。
内容をざっくり言うと、”自転車でヘルメットをかぶっていると上手な人だと思われて、車の運転手が追い越しをするときにあまり幅を開けてくれない“ので事故が起きやすくなる。というものです。
車を運転する方なら納得されると思います。確かに、ふらふらとママチャリに乗っているおじいさんを追い越すときは、かなり幅を取りますよね。
さて、バイクでは必ずかぶらないといけないヘルメット。自転車ではどうなのか法律を見てみましょう。
法律(道路交通法)を見てみよう
現在、自転車のヘルメットについての法律は、
“児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。”(道路交通法 第63条の11)
だけです。
この法律は努力義務なので着用しなかったからといって罰金などはありません。しかし、4分の3が助かるのですから、子どもたちにはヘルメットを着用させた方がいいですね。
このほかにも自治体で条例があるところもあるようです。最後にそちらも見ておきましょう。
自治体の条例を見てみよう
まずは、この記事を紹介します。
愛媛県と大阪府の堺市には、みんなに対してヘルメットを着用しようという条例があります。愛媛県が高い着用率をほこる一方で、堺市では一向に着用率の上昇が進まないということです。
日本人は右へならえが好きなので、着用が5割を越えれば一気にみんな着用するはず。地道に着用率を上げていくしかないでしょう。
あなたの住んでいる自治体に、ヘルメット着用の条例があるか調べてみることをおすすめします。
まとめ
皆さんのヘルメットに関する迷いの解決につながりましたでしょうか?
あなたはヘルメットが必要ですか?いらないですか?
僕はちょっとした買い物や移動ならばヘルメットはいらないけど、クロスバイクをスポーツとして楽しんだり、車道を長距離走るときはヘルメットは必要だなと思っています。
ヘルメットも大事ですが、事故そのものを起こさないためにより安全運転を心がけることが一番大事ですね。